代表者メッセージ

パンデミックを経て、文化・芸術へのアクセス格差はかつてないほどに顕在化しました。高齢者、障がい者、地方居住者、そして経済的な制約を抱える多くの人々にとって、世界の名作に触れることは今なお遠い現実です。また、美術館側も文化財保護の観点から展示作品の貸出が厳しく、すべての人に開かれた文化享受の仕組みが十分に整っているとは言えません。

私たちはこの課題に対し、スペインの「プラド美術館」や「ノートルダム大聖堂」など、世界的文化遺産の知的財産を、最先端のXR技術を活用して没入型VR体験へと再構築し、物理的・経済的制約を越えて、誰もが等しくアクセスできる「持ち運べる文化資源」として提供しています。視覚と聴覚を刺激するインタラクティブな体験は、子どもから高齢者まで幅広い層に感動をもたらし、感性や美意識を育む新しい教育的価値を生み出しています。

展示施設は、再利用可能なモジュール構造を採用し、短期設営・省エネルギー・リサイクル素材の活用により環境負荷を最小限に抑制。原画の輸送や高額な保険が不要であるため、サステナブルかつ経済的にも再現性の高い文化事業モデルとなっています。2024年に中国・上海で実施した初回展では、来場者満足度95％以上を記録し、「子どもにも見せたい」「もう一度観たい」といった声が数多く寄せられました。

世界のXR市場は2030年に約9,400億ドル規模へ成長すると予測されており、日本国内におけるXR文化体験分野は、まさにこれからが黎明期です。私たちはこの分野において、すでに先行事例を持つユニークなポジションを確立しており、今後は上海を皮切りに、日本全国への巡回展を展開していきます。

各国大使館からの後援、不動産・メディア・教育機関との連携のもと、文化体験の普及・地域経済の活性化・教育支援・環境配慮をすべて両立させる、持続可能で国際的にも意義あるプロジェクトを推進してまいります。